取材した全9軒の注文住宅に学ぶ。「2階リビング」の住まいの実例集
Replanが教える家づくりで参考にしたいアイデアの数々。
目次
- ①「2階リビングで眺望が美しい家」の実例集
- 【Case.1】 吹き抜けの10連窓で、羊蹄山を一望できる家
- 【Case.2】 田園風景を望む方向に、大きく開いた木の家
- 【Case.3】 高台から街並みと海の景色を望む家
- ②「1階がビルトインガレージの家」の実例集
- 【Case.4】 駐車スペースは4台分!3階建ての二世帯住宅
- 【Case.5】 たった「24坪」の狭小地に、車2台の駐車場と自転車置き場
- 【Case.6】 プライバシーに配慮した、2台分のビルトインガレージがある家
- ③「変形地を生かした家」の実例集
- 【Case.7】 敷地は5mの高低差のある傾斜地 スキップフロアのL/DK
- 【Case.8】 半屋外テラスとつながるDK 2階リビングはプライベート空間
- 【Case.9】 床レベルの違うL/DK 2階リビングは竹林を望む特等席
- リンク:「2階リビング」のメリット・デメリットと大満足の住宅実例10
明るい光と開放感が大きな魅力の「2階リビング」の住まい。都市部や変形地でも、周囲の視線を気にせず心地よい空間を実現できる手法として、近年非常に人気が高まっています。しかし、実際に検討するとなると「自分たちの土地や暮らしにどう取り入れるべきか」と悩んだり、不安を抱える方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、リプランが実際に取材した「2階リビングにしたからこそ叶った理想の暮らし」の様子を、
- 眺望が美しい家
- 1階がビルトインガレージの家
- 変形敷地を生かした家
の3パターンに分けて、たっぷりとご紹介します。
①「2階リビングで眺望が美しい家」の実例集
家にいる時間の多くを過ごすリビング。そのリビングから、四季折々に変化するお気に入りの景色を楽しめると、暮らしはもっと豊かになります。
もちろん都市部と郊外では敷地条件が異なりますが、2階リビングのような周囲の景色を上手にとり込むプランの工夫はできるはず。家づくりを考えるときは、せっかくの眺望を見逃さない、外のこともきちんと考えたプランニングが大切です。
【Case.1】
吹き抜けの10連窓で、羊蹄山を一望できる家
Nさんご夫妻は、ニセコでの家づくりにあたり、羊蹄山がきれいに見えることを必須条件に土地を探しました。数年かけて手に入れた581坪の広大な土地は、クセのある傾斜地。設計・施工を担当した工務店では、その傾斜を上手に生かしつつ、羊蹄山の贅沢な眺望を楽しめるよう、3階建ての2階リビングのプランを提案しました。

いつでも明るい光が降り注ぐ2階リビングの東側には、10枚の窓が並ぶ大開口があります。その窓からはまるで絵画を切り取ったように羊蹄山の美しい姿を堪能できます。そして、Nさん宅は45度回転させた屋根の形が特徴的です。その形のおかげで、東側に窓を集中させながらも、天井まで伸びる吹き抜けが実現。さらに開放感が増します。理想の景色を最高に形で手に入れたNさんご家族の新居は、実に絵になります。




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理想の間取りを実現させた、羊蹄山を眺める「笠」屋根の家
【Case.2】
田園風景を望む方向に、大きく開いた木の家
東京から北海道東川町へ移住して11年が経つOさんご夫妻。「田んぼや山並みが広がる景色が、美しくて雰囲気がよくて気に入ったから」というのが、移住先として東川町を選んだ理由でもあります。1年ほど時間をかけて、お子さんの通学区や日常生活の利便性も考慮しながら、豊かな眺望も楽しめる土地を探したご夫妻は、そのロケーションを最大限に生かせる「2階リビング」の住まいを完成させました。

Oさん宅の2階は、LDKのみ。仕切りのないワンルームで、大きな連続窓からは上川盆地の景色を全面に感じ、周囲と一体感のある空間となっています。2階の天井は特殊な構造により柱や梁がまったくないので、開放的な雰囲気はいっそう高まります。西側にはテラスが設けられていて、田んぼを渡ってくる風を感じながら眺望をひとり占めできます。Oさんご夫妻が夢見た「季節の移ろいを感じられる北海道らしい暮らし」が、2階リビングの新居で叶えられています。




【Case.3】
高台から街並みと海の景色を望む家
眼下にはフェリーが行き交う港や街並み、そして対岸には山の絶景が広がる眺望に魅了され、土地の購入を決めたSさん。しかしその土地は、1/3を崖が占めるうえに間口も狭く、建築可能面積が限られた土地でした。そこで建築を依頼された建築家が提案したのは、コンパクトがらも開放感があって、お気に入りの眺望も満喫できる「2階リビング」のプランでした。

2階に配されたリビングは、細長いながらも眺望の良い北側一面が出窓になっているので、視界いっぱいに景色が広がります。出窓に寝そべり外を眺めると海の上に広がる雲と目線が揃い、まるで雲の上に乗っているかのような不思議な感覚を味わうこともできるそう。また、リビングを2階に持ち上げロフトを設えたおかげで、十分な天井高も確保でき、面積以上の広がりも感じられます。窓越しの太陽光を浴びて輝く絶景が、Sさんご家族の暮らしを美しく彩ります。




②「1階がビルトインガレージの家」の実例集
敷地が広く取れない都市部では、敷地や周辺環境のさまざまな制約をクリアしつつ、駐車スペースも確保できるよう、2階リビングにしたお住まいが多く見られます。そのためには、敷地の条件にかかわらず、プランニングの力で最適な形を導き出せるパートナー探しも大切です。
【Case.4】
駐車スペースは4台分!3階建ての二世帯住宅
Oさん宅は最寄り駅まで徒歩3分、大型ショッピングモールも身近な利便性の高い住宅地にあります。土地面積はわずか42坪ながら、親世帯と子世帯を合わせて4台分の駐車スペースが必須条件でしたので、必然的に「2階リビングの3階建て」前提の家づくりになりました。
駐車スペースは、玄関前を2台分のガレージとし、建物を敷地の右側に思い切り寄せ、左側に空いたスペースに2台を縦列駐車できるようプランニングして、Oさんご家族の要望を無事にクリアしました。

2階に設けた二世帯共用のLDKは、大きな窓から陽射しがたっぷりと降り注ぎ、都市部の狭小地に建つ住宅とは思えないほど明るくのびやか。また、2階リビングだからこそ得られた勾配天井による開放感も格別です。
リビングは2階で個室は3階にありますが、ホームエレベーターを導入しているので、親世帯でも移動は楽。個室が上階に配置されているおかげで、日中どこにいても明るく過ごせます。4台分の駐車スペースという難関が導き出した斬新なプランニングが印象的なOさん宅です。




【Case.5】
たった「24坪」の狭小地に、車2台の駐車場と自転車置き場
街の中心部。JRの駅からも近く、商店街も学校もある便利な場所に建っているFさん宅は、メッシュの布でラッピングされたような外観が特徴的です。24坪ほどの狭い敷地に、車2台分の駐車スペースと自転車置き場も確保するため、こちらも3階建てのプランとなりました。1階の約半分を占める駐車スペースは道路に面して2方向に開いているので、2台でも出入りはストレスフリーです。

2階にはLDKに加え、浴室などの水まわりを配置し、暮らしのほとんどが2階で完結できます。1階には玄関ホールと来客用のコンパクトな和室、3階に家族3人の個室という構成で、各階の役割をはっきりさせているので、暮らしやすさも申し分なし。植物好きのFさんは、新居に植物を置くカウンターを随所に設え、室内外にプランターや鉢で植物をたくさん並べることで庭をつくって、2階リビングならではの方法で緑を楽しんでいました。




【Case.6】
プライバシーに配慮した、2台分のビルトインガレージがある家
職場の隣に新居を構えたHさんご夫妻。Hさんの職場には常にお客様が出入りし、反対側の隣は保育園で、住宅街ながらも人や車の往来が多い住環境でした。
そこで、新居はプライバシーの確保と敷地の裏側にプライベート庭をつくるためビルトインガレージ+2階リビングのプランを選択。ビルトインガレージは防犯対策にもなり、除雪の負担も軽減できます。

ガレージはそのまま広い玄関土間とつながり、2階リビングへ直行できるとてもシンプルな動線。約27帖の広々とした2階リビングは、くつろぎの場所です。斜め天井を生かした吹き抜けや庭を楽しめるバルコニーのおかげで、より開放感ある空間に仕上がっています。
1階には水まわりと寝室があり、毎朝の身支度などは1階だけで完結します。プライバシーに配慮した2階リビングのプランは、使い勝手も良い合理的なつくりになっていました。




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プライベートを重視した2階リビングのぬくもり空間
③「変形地を生かした家」の実例集
「傾斜地」や「高低差のある土地」といった変形地の場合も、状況や環境、ライフスタイルによっては2階リビングがフィットします。変形地は一般的に土地の値段が安いのが魅力。リプランの取材先では、土地代で浮いた分の資金を建築費にあてて、注文住宅で個性的な家を建てられるケースもよく見られます。
【Case.7】
敷地は5mの高低差のある傾斜地
スキップフロアのL/DK
新居の建築にあたりHさんが見つけた土地は、背後に森や山、目の前には市街地のビル群という山裾にある眺望の良い土地でした。しかしその敷地は旗竿・傾斜地という難しい条件。そこで選んだのは、高低差はそのままに旗竿部分に桟橋を設け、2階玄関へのアプローチにするプランでした。玄関はフラットに2階リビングにつながり、そこから高低差を生かしたスキップフロアで4層のフロアが続く空間構成となっています。

道路側に面したリビングは、プライバシーとくつろぎ感を重視し窓は小さめにし、1段下がったところに配したダイニング・キッチンは、Hさんお気に入りの眺望が楽しめる向きなので、大きな窓を設けています。
土地の高低差によりスキップフロアで分離されたリビングとダイニング・キッチンですが、そのおかげでメリハリのある暮らしの空間が実現しました。「ダイニングとキッチンを分けるテラスに座って、刻々と変わる空の色を眺めるのも楽しい」と話すHさんの言葉から、新居での豊かな暮らしがうかがえます。




【Case.8】
半屋外テラスとつながるDK
2階リビングはプライベート空間
建物の真ん中にある家の形をした半屋外テラスが特徴的なMさん宅。このテラスを介して、一方にフラワーアレンジメントの仕事をする奥さんのアトリエ、もう一方にダイニング・キッチンが配置されています。
コンクリートタイルを敷き込んだ半屋外テラスは、奥さんの作業場であると同時に、ある時は家族のセカンドリビング、またある時はお子さんたちの遊び場や来客のおもてなしの場として活用するなど、自由度の高い空間です。

仕事と暮らしが一体化した1階に対し、2階はリビングや個室を配置した完全なプライベート空間。Mさんご夫妻は共働きで、リビングは一緒に使う時間が比較的少ないためコンパクトに。その分家族の衣類などの収納スペースを確保しました。Mさん宅では、仕事とプライベートの両立を考えて、自分たちのライフスタイルに最もふさわしくて使いやすいプランを実現していました。




【Case.9】
床レベルの違うL/DK
2階リビングは竹林を望む特等席
祖父母の家が建っていた場所に建てられたHさんご家族の新居。幼い日々を過ごした想い出の場所だけに、建て替えにあたっても元の家と同じく約2.5mの高低差のあるい地形を生かした家にしたかったといいます。
その条件から、プランは大きなボリュームとなる2階にLDKと水まわり、コンパクトな1階に寝室と子ども部屋という構成に。さらに2階は玄関に近いキッチン・ダイニングよりも、リビング・水まわりの床レベルを高くしました。

L/DKで床レベルを変えたのには理由があります。Hさんの原風景ともいえる竹林を、リビングと浴室の窓から一望できるよう設計されているのです。その分リビングは、ダイニング・キッチンより天井高が低くなっているので、落ち着きのある空間に。逆に1階のテラスは天井が高くなり、さらなる開放感を感じることができます。土地の記憶を守りながら、豊かな暮らしを育んでいるHさんご家族の住まいです。



このように「2階リビングの家」の姿かたちは、敷地条件や個々のご家族が望むライフスタイルなどによって実に多様です。
なお、2階リビングのメリットやデメリットについては、以下の記事で詳しく紹介していますので、興味がある方はぜひご一読ください!
リンク:「2階リビング」のメリット・デメリットと大満足の住宅実例10
(文/Replan編集部)
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