既存の煙突を再利用。心も体も温まる薪ストーブが長い冬のパートナー
安心して、心地よく。薪ストーブとともにある日々を応援します。
仁木町・Sさん宅
家族構成/夫婦60代
薪ストーブ/[AGNI]AGNI-CC
設計・施工/(有)ビオプラス西條デザイン
神奈川県で暮らしていたSさんご夫妻は、ワイン好きが高じて2019年に仁木町に移住し、醸造用ブドウ農家として新規就農しました。数年かけて農地を見つけ、購入。その土地に立っていた築50年のコンクリートブロック造の2階建てを改修し、終の棲家にすることにしました。
改修工事を依頼したのはビオプラス西條デザインです。「西條社長が掲げる地域に根ざした自然派住宅という考え方が、私たちの理想のワインづくりに重なりましたし、コンクリートブロック住宅の改修実績の豊富さも依頼の決め手になりました」と、Sさんは当時を振り返ります。



ご夫妻が希望したのは、暖かくて2人暮らしにちょうどいい平屋的な住まいです。そこで西條さんは、1階のみを改修するプランを提案。また暖房には蓄熱性の高い構造体と既存の集合煙突が生かせる薪ストーブを勧めました。
Sさんは「薪ストーブには憧れがありましたし、改修コストの削減にもつながるので嬉しい提案でした。地域柄、周辺に果樹農家が多くて薪が手に入りやすいことも導入の後押しになりました」と話します。
2020年の暮れに改修を終えた1階は、ナラの無垢床にトドマツの造作家具、ホタテ漆喰の塗り壁と道産の素材をふんだんに用いた心地よい住まいに様変わりしました。広いLDKの中心に据えたのは、国産メーカー「アグニ」の薪ストーブ。大きな窓の奥に美しい炎が揺らぎます。
「必要十分な断熱改修と躯体のコンクリートブロックに薪ストーブの熱が蓄えられる効果で、真冬もこの1台で室内の隅々まで暖かいです」とSさんが言えば、奥さんも「春先は朝に薪を燃やすだけで一日中快適。薪火による暖かさはやわらかい感じがして、その心地よさにも驚きました」と声を弾ませます。薪ストーブはお2人の日常に欠かせない長い冬のパートナーとして、その力を発揮していました。
DATA
◆家のこと
構造規模/コンクリートブロック造・2階建て
リノベーション面積/124.00㎡(約37坪)
◆薪ストーブのこと
機種/アグニ「AGNI-CC」
炉台/鉄板
炉壁/レンガタイル
役割/主暖房、料理
使い方/朝起きたら着火
使用期間/11月上旬〜4月上旬
煙突掃除/年に1回(業者に依頼)
◆薪のこと
ひと冬あたりの使用量/約10㎥
使用樹種/リンゴ材、サクランボ材 など
薪の調達方法/主に近隣の果樹農家で出た剪定木や伐採木
PLAN
「料理にも使いたい」という奥さんの要望をふまえ、 薪ストーブはキッチンから目が届いてアクセスしやすく、 個室以外の空間の暖房としても効果的なLDK空間の中央に設置した。
owner’s voice

使い勝手の良さとインテリア性を兼ね備えたデザインに加え、クッキングストーブとしても使えることがアグニを選んだ大きな決め手になりました。薪ストーブの設置場所も絶妙で、キッチンから煮炊きの様子がよく見えます。料理をするのに安心ですし、とても効率がいいですね。薪ストーブに火を入れる季節にはストーブトップに鍋をかけて、おでんやカレー、小豆、マーマレードなどをゆっくりと煮込むのが日課になりました。
去年から畑で実ったブドウを使って、ナチュールワインの醸造を始めました。薪火を眺めながら、薪ストーブで仕込んだ料理と自家製のワインをゆっくりと楽しむ。その時間を思い描くだけで、冬の訪れが待ち遠しくなります。(奥さん談)
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